刻は戦国時代。
破竹の勢いで諸国大名を抑える織田信長公が、安土に入り、天下を統一されようとする戦国の世にございます。

その重臣・ 明智光秀様の娘・玉姫様は、 同じく重臣・細川家の細川忠興様に嫁がれました。主君・信長公の御命令でありました。

政略結婚が常とされる武家の世で、細川忠興様は美しく聡明な玉姫様を溺愛され、子宝にも恵まれ、姫様自身も幸せな日々を送っていらっしゃいました。
しかしそれは嵐の前の静けさだったのかもしません。

申し遅れました。私はその玉姫様に長年つきそい、その最後を見届けました名もなき侍従でございます。姫様には愛着を込めて「小侍従(こじじゅう)」と呼んで頂いておりました。

今宵、僭越ながら私めが、戦乱の世に翻弄されながら、命をかけて「愛」と「信仰」を守り抜いた玉姫様、いいえガラシャ様のご生涯を、皆様にお伝えしとうございます。

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