忠臣蔵の主人公である大石内蔵助はどのような人物だったのでしょう。
一説には「昼行燈」と呼ばれ、いつもニコニコしているだけのパッとしない存在だったといいます。しかし、主君が起こした事件を機に人生は一変。さまざまな苦悩を抱きながらも、曲者揃いの赤穂浪士をリードしていきます。はじめから討ち入りを考えていたわけではなく、「今すぐ吉良の屋敷に斬り込もう」という過激派をなだめつつ、浅野内匠頭の弟を中心に浅野家を再興するための計画を粘り強く続けたという説もあります。しかし、やがてその弟にも処分がなされることが決まり、大石の夢は絶たれます。
こうなった以上、大石も覚悟を固めるしかありません。家族に害が及ばぬよう縁も切っていた大石内蔵助は「このままでは浅野家の面目が立たない。亡き主君の敵である吉良上野介を討つ」と心に決めるのです。