境内の前に立つと2つのお百度石の間を 何度も行き来し、お参りしている人の姿を見かけるだろう。日本では昔から「神様に百度お参りすると願いが叶う」と言う「お百度参り」が行われており、ここでもたくさんの人がお百度参りを行っている。
境内右手にある授与所、もしくは崇敬会館で「お百度ひも」を手に入れることができる。一周まわるたびに、お百度ひもを折って参拝すれば、「今、何回目なのか」と迷わず参拝することができるだろう。
「でんぼの神さん」として知られる石切神社だが、腫瘍を断ち切るということから「ガン封じの神さん」としても信仰されている。現在は平和な世の中になり、医療が発達し、寿命が伸びた。病気に悩みながらも、折り合いをつけて生きていかなくてはならない時代。石切さんは、そんな悩み多き人の心の拠り所となったのだ。
百度石の上部はすり減り、形を変えていっている。すり減った石は「私の、あの人の、病気が良くなりますように」と、人々が願いを込めた想いの丈を表しているのかもしれない。