古代より豊かな水源に恵まれていたこの地は、大阪、河内の国にとって特別な存在だった。生駒の山に雲がかかり雨が降り、その雨が土地を潤し、田畑が豊かに育つ。大和言葉で「ひ」は「神様のみたま」、「ら」は「たくさん」。神様の御霊が満ちた場所という意味を持つ。農耕を行う民にとって、枚岡神社は「神のおわすところ」であった。
主祭神アメノコヤネノミコトは天の岩戸開きで活躍した後、アマテラスオオミカミから「てんそんほひつ」という使命を授けられる。これは「皇室の守護神」という意味で、その役割から平城京守護の春日大社創建時に分霊が祀られ、今では「元春日」とも呼ばれている。
境内からは、大阪平野が一望できる。実は枚岡神社から東の方角には奈良が、そしてそのずっと向こうには伊勢がある。境内からの美しい景色を眺めながら、神話の世界の繋がりを感じてみてほしい。