東京ベイ潮見プリンスホテルへようこそ。ここは「水辺の宿場町」です。というのも、かつて江戸には4つの宿場町がありました。それは、京都から江戸に都が移った江戸時代。日本橋を中心に日本全国を旅するための交通網が発達していくのですが、そのとき、旅の拠点となる4つの宿場町が誕生します。
当時は「江戸四宿」と呼ばれ、今も名前に名残のある「新宿」をはじめ、品川宿、板橋宿、千住宿に旅人たちが集まりました。そのことにちなんで東京とディズニーリゾートのある舞浜をつなぐ、5つめの新しい宿場町として建てられたのがこのホテルです。
館内には「水辺の宿場町」をイメージしたアート作品がたくさん隠されています。そんなアートをきっかけに「EDO×TOKYO」を読み解く旅を、ドアマンの私がご案内したいと思います。
おや、次のお客さまがやってきたようです。大きな籠を担いだ二人の男が、まるでタクシーのように運んでいるのは1人の女性です。髪を伝統的な結い方でまとめ、静かに籠に揺られる姿は、まるで時代を超えてやってきたかのようです。そう、この廊下は現代の日常から、水辺の宿場町であるこのホテルにつながるタイムトンネルなのかもしれません。みなさまは、この作品を見てどんな物語を想像されるでしょうか。