横9m、縦6mにもなる、ホテルのアートの中でもいちばん大きな作品です。その大きさは館内にとどまらず外壁にも広がっています。百合の花と葉が波と交わる様子がダイナミックに描かれ、躍動感が感じられます。この作品は、壁に直接、描いているため、ホテルの開業前に足場を組んで1ヶ月半ほどかけて描き上げた大作となります。フロントカウンターで見られる3つの花のうち、真ん中の百合の花が海と交わって変化していくように感じられる方もいることでしょう。
百合は日本の最も古い資料である「古事記」にもロマンスの花として描かれ、日本人に古くから親しまれてきました。江戸時代になると庶民が庭先で飾るようになり、香水やお香の材料としても親しまれたといいます。また、歌舞伎や浄瑠璃では純粋さや潔白の象徴として使われることもありました。明治になると、日本の百合の美しさに世界の注目が集まり、たくさん輸出されるようになったといいます。