第二列は、神様に奉納するお供物や馬を運ぶ人たちと、天皇の使者のための牛車からなる行列です。

行列の先頭に現れるのは、邪気を払うとされる梅の枝を持った人たち。彼らが守っているのは神様に捧げる大切なお供物です。お供物は3つの入れ物に入れて運ばれます。

なぜ3つあるのでしょうか。それは、下鴨神社に2柱と上賀茂神社に1柱、合わせて3柱の神様がおられるからです。入れ物の中には五色の反物、つまり美しい色の絹織物などが収められています。それらは神様の衣類となります。

その後に続く馬もまた神様に捧げられるものです。日本の神社には「絵馬」があり、木の板に馬の絵が描かれていたりしますが、それは貴重な馬を神様に捧げる文化があったことの名残です。

ところで、行列の参加者の頭には「葵の葉」が飾られています。なぜ葵なのでしょうか。

実は、このお祭りの正式名称は「賀茂祭」といいます。葵祭という呼ばれる理由は、行列の至るところに葵の葉が飾られているからです。葵は古くから賀茂社を象徴するシンボルとして使われてきました。

古くは葵を「あふひ」と読み、「ひ」は 神様を意味します。つまり、葵は「神様に逢う」こと、「逢う日」であることを象徴し、神様と人を結ぶ植物として大切にされてきた歴史があります。

第二列の最後に登場するのは、美しい花で飾られた牛車です。この牛車は天皇の使者のための車です。そばには、牛車の動きを助ける人や、牛車が壊れたときに修理をする大工も付き従っています。さらに、「替え牛」と呼ばれ、牛車を引っ張る牛が疲れて動けなくなったときの代役もいます。

Next Contents

Select language