過去にたらい舟を材料にした作品「どんぶらこっこどんぶらこっこ♪」という作品を手がけ、話題を呼んだ作者。そのときは佐渡に4ヶ月ほど滞在し、ひたすら島中をドライブしていたといいます。心配した周囲から「そろそろ何か作らないと……」と声をかけられたとき、彼女は突然「たらい船にする!」と宣言し、人気作が誕生しました。

今回の新作も、その発想の源は滞在中の何気ない日常にありました。作者は毎日のように海で泳ぎ、遊び、まるで海に溶け込むように過ごしていたといいます。そんな姿を見た周囲から「そんなに好きなら、それをテーマにすればいいのに」と声をかけられたとき、今度は「竜宮城にする!」と即答したのです。

佐渡の海は澄みわたり、魚たちが群れをなす様子はまさに竜宮城のよう。もし本当に竜宮城が存在するなら、佐渡こそがその入り口なのかもしれません。作品の中には、海に落ちていたウキを拾い集めてつくられた、無数のクラゲたちが漂います。そして作者は、自分の中の「乙姫様」を探していたとも語ります。

果たして、その乙姫の気配は作品のどこに見出せるのでしょうか。過去の作品「どんぶらこっこどんぶらこっこ♪」から展開されるインスタレーションを、ぜひ体感してみてください。

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