石上神宮を後にして、これから歩いていくのが「山の辺の道(やまのべのみち)」。奈良盆地の東のふちを縫うように続き、日本最古の古道ともいわれています。「古事記」や「日本書紀」、「万葉集」にもたびたび登場し、神話と歴史が織りなす特別な道です。

山と田畑のあいだを縫うこの道には、古代の人々が歩いたままの自然の地形が、いまも静かに残されています。道ばたの小さな祠、畦道にぽつんと立つ塚、古墳、石碑。そのひとつひとつが、ただの風景ではありません。遠い昔から祈りが積み重ねられてきた、記憶の風景。名もなき旅人が手を合わせた祈りが、いまもこの道には静かに息づいています。

ふとした瞬間、風の匂いに、草のささやきに、時の流れがゆるみ、まるで古代の旅人とすれ違ったかのような気持ちになるかもしれません。石上神宮から続くこの祈りの道は、あなたを、はるかな記憶の旅へと誘ってくれるはずです。

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