お産の間、直弼の側室方のお静が長女を産んだ際、使った部屋です。

当時は天井に鎖の輪があり、そこに紐を通して、妊婦がそれを掴んで力んで子を産んだとのことです。
力が入るように背中には布団を重ね、座った姿勢で赤ん坊を産みます。

側室の静が埋木舎で長女、弥千代を産むのは直弼が彦根藩主の嗣子として江戸に発つ少し前で、江戸滞在の間も娘のことを気にとめ、頻繁に静宛に手紙を書いています。弥千代はその後、高松藩主、松平頼聡の正室となります。

お産の間の前方にある小さな祠は安産の神で、直弼は毎日参拝し、静の安産を祈ったそうです。

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