自己紹介をお願いします。

日本図案館と申します。大阪市浪速区で主に明治時代の木版図案集を収集・展示する施設を運営しています。


観賞者にどこを特に見てほしいですか。

この日本という地に根付いた抽象感覚や色彩感覚に注目していただきたいです。 今回は特に京都に紐づく作品が多く展示されていますので、そこも念頭において見てもらえたらと思います。


木版画の収集に至った理由、経緯を教えてください。

もともと古い木版千代紙 (*1)をたくさん集めていて、その中でも特に明治時代の千代紙が印象的で、それをどんどん掘り下げていくうちに明治時代の木版図案集と出会い、大きな衝撃を受けたことがきっかけです。

(*1) 千代紙(ちよがみ)とは、和紙に伝統的な日本の模様を木版手摺りした装飾性の高い紙のことを指す。折り紙、小物の包装、工芸品などに用いられ、その鮮やかな色彩と多様な文様が特徴となっている。

日本図案会の活動を通じて伝えたいことはありますか。

これら木版画は分業版画と言われ、図案家、彫り師、摺り師といった専門職人の連携によって初めて可能になるものです。改めて、人が手を掛けて作ったものの魅力を現物を通して伝えたいです。


普段木版画を展示する上でのこだわり、工夫点などを教えてください。

主に収集している木版画は、本という形式のものが多いので、来場者の方と一緒にページをめくりながら、歴史や作者の背景について解説したり、その方の関心に応じたコミュニケーションを心がけています。


あなたが着目する日本の抽象や色彩感覚の特異性とは、どのようなものでしょうか。

あくまで私の理解ですが、家紋のような森羅万象を抽象する文化と四季によって変化する豊かな自然の色彩が融合した感覚的な造形があり、その上で鎖国明けの外来文化をも取り込んだ歴史性を感じるものとなっている点です。


[Entrance Window, Gallery 3]
Movie: 北村佳子 Keiko Kitamura / DV Director: 筒井一隆 Kazutaka Tsutsui
2025

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