庭園内にはさまざまな見どころがありますが、まずは、2つの灯籠に着目してみましょう。ひとつは、園内で最も大きな「獅子乗大石灯籠」です。笠石の大きさは畳8畳分。その上に乗る獅子は、空を翔けて着地した瞬間の姿を表しており、今にも動き出しそうな躍動感にあふれています。
もうひとつが「鶴灯籠」です。尖った笠石が、鶴の羽ばたく姿に見えることからこの名前が付けられました。少し離れたところには亀の姿を模した「亀石」もあり、長寿と繁栄を象徴しているようです。
庭園の大きな魅力であるこれらの石灯籠ですが、実は、島津斉彬による近代化事業ともかかわりがあります。斉彬は近代化事業の一環として、これらの庭園内の石灯籠で、最新のガス灯の実験を行っていたのです。
実験は安政4年(1857年)に行われ見事成功、石炭ガスの灯が庭園内にともりました。成功に満足した斉彬は、さらに鹿児島の城下町をガス灯のあかりで満たすことを計画します。残念ながら斉彬はその光を見ることなく急逝し、計画も中止となってしまいますが、もし実現していれば、日本で最初にガス灯が照らした街は明治時代の横浜ではなく、幕末の鹿児島になっていたことでしょう。