南の玄関口である南九州は、古来より海外交易も盛んで、大陸文化と深く関わってきました。こうした地理・文化的特性のもとで築庭された仙巌園は、異国情緒あふれる空間になっています。下庭の「鶴灯籠」と御殿近くにある「亀石」もその特徴を示す見どころの一つです。これらは中国の蓬莱山思想の影響によるものと考えられています。

蓬莱山とは、古代中国において鳳凰や龍が住み、霊樹が生い茂る理想郷といわれていた山です。この思想が日本に伝わると、霊樹は松・竹・梅に、鳳凰や龍を鶴や亀に置き換えて表現されるようになりました。

鶴灯籠や亀石は、日本的なものにイメージされた蓬莱山の世界観を示しているといえるでしょう。


※鶴灯籠とガス灯
安政4年(1857)に28代斉彬は、鶴灯籠でガス灯の実験を行ったとされています。邸宅内に設けられたガス室で、石炭を蒸し焼きにしてガスを発生させ、それを管で灯籠まで導き、火を灯すという方法でした。実験は成功し、斉彬は、いつの日か鹿児島城下にもガス灯を設置しようと夢見ていたと伝えられています。

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