旧集成館機械工場は、慶応元年(1865)に29代島津忠義によって建設された工場施設です。現存する国内最古の洋式石造工場建築として知られており、昭和37年(1962)には重要文化財に、平成27年(2015)には世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産に登録されました。
建物は溶結凝灰岩による石積みで築かれており、建設当時は「ストーンホーム」と呼ばれていました。洋式建築でありながら、基礎部分には神社建築に見られる亀腹石、四隅には城郭建築の算木積みなど、和風建築の要素も取り入れられています。さらに、屋根を支える小屋組みはトラス構造を意識しながらも、方杖が細いなどの独自性があり、薩摩の技術者たちが自力で築いたことをうかがわせます。
工場内部には洋式の機械が備えられ、洋式船の整備や金属加工に対応する機械類の製造が行われていました。
大正4年(1915)に工場としての役割を終えましたが、建物は解体されることなく保存され、大正12年(1923)には博物館「尚古集成館」として生まれ変わりました。「尚古」とは「古きを貴ぶ」という意味で、現在も鎌倉時代から800年にわたる島津家の歴史を紹介しています。