薩摩切子は、19世紀半ばに28代島津斉彬が生み出させたガラス工芸品のことを指します。一般に透明ガラスの外側を色ガラスで厚く被せ、これにカットを入れて「ぼかし」といわれる色の濃淡を表現している点が特徴です。幕末には大名同士の贈り物として用いられました。
明治10年(1877)の西南戦争で一度製造が途絶え、100年近く「幻のガラス」といわれていましたが、昭和60年(1985)に磯の地で復元に成功しました。現在まで薩摩切子の伝統は受け継がれ、鹿児島を代表する伝統工芸品に認められています。近年では、江戸時代のデザインを基にした創作のほか、ニ色被せ(にしょくぎせ)など、新しい薩摩切子の開発も進められています。
※薩摩切子工場について
現在のガラス工場は、昭和61年(1986)に開設されました。ガラスの生地作りから磨きまでの一貫した工程で、様々な薩摩切子を製造しています。工場は、ガラスを器の型に整える「吹き場」と、ダイヤモンドホイールなどを用いて模様を彫る「カット場」、最後の仕上げを行う「磨き」のエリアで構成されており、職人たちの熟練の技を間近でみることができます。