池を横切るような通りがあるね。これは中国の西湖の蘇堤を模したもので、「西湖の堤」というんだ。
この堤を進んでいくと、池の中心にあるのが「中島」だ。
詳しいことを知っているこの木に話を聞いてみよう。
「お呼びでしょうか。ぼくはクロマツです」
そこにある堤について、詳しく教えてくれないかな。
「ええ、わかりました。中国の杭州に西湖という湖があります。そこに蘇東坡という詩人が長い堤を築きました。それが『蘇堤』です。西湖は美しい風景で知られ、古くから詩や絵画の題材にもなっています。江戸の庭園では、そうした名所の景色を庭に取り入れることがありました。この堤も、その発想から作られたものなんです」
そう、この庭園は中国の様式とも関係が深いんだ。
ここにある中島もそうだよね?
「ええ、そうなんです。この中島には中国の伝承の仙人が住むという"蓬莱山"を模した石組みがあります。そこの木に生えている果物を食べると、不老不死になると言われています。そんな島を池に作るなんて、面白いですよね」
そうなんだ。蓬莱山は、いろんな日本庭園に取り入れられているよ。
さぁ、堤をまた通って、散策をつづけようか。今度は面白い石があるよ。