あなたが 好きな土地の色は?

これが土の色だと信じられるだろうか。

作者は新潟県内の全市町村から、576種類の土を拾い集めた。それをふるいにかけ、手作業でゴミを取り除いていくと、これほどまでに彩り豊かな土があきらかになった。

それもそのはず。新潟県の大部分はおよそ300万年前まで海中に没していた。それから激しい土地の隆起がおこり、現在の地形となったのが約1万年前。複雑な断層構造を見せる丘陵地帯や、信濃川の浸食によって生まれた河岸段丘が見られる。

越後妻有は河岸段丘が10階層にも重なる珍しい土壌をもっているが、その土には動植物の生態系や、その土地で暮らす人たちの生き方すらも堆積している。

世界中で土を拾い集めていた作者は、日本に帰国して見直したという。日本の大地はまるで虹のように美しいではないかと。

そして、アートはあなたに問いかける。

あなたは何色の土で 育ったのだろう。

同じ北海道でも北は白く、東は黒い。東北は鉱物の影響かグリーンやピンクも顔を出す。関東はほとんどが焦茶色と黄土色。東海地方ではぐっと明るくなってベージュに。関西は西に行くと赤やオレンジなど鮮やかさを増す。四国に土は少ないが、思わぬところでブルーに出会うこともある。九州は古い火山の影響か紫色の土もあるという。

そんな話を聞くとどうだろう。自分が生まれ育った土地の色を知りたくはないだろうか。

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