Q.15 なぜ本陣薬局は木之本にあるのか?

賤ヶ岳の戦いをご存知だろうか?かつて羽柴秀吉と柴田勝家が、亡き織田信長の勢力を二分して争った合戦だ。その合戦の地がここ木之本なのだ。そしてなんとその戦に、本陣薬局のご先祖様が参加していたという。

その方こそ、拝郷五左衛門。現25代目当主の竹内崇浩さんのご先祖様で加賀大聖寺城主であった。元々織田信長の家来であったが、信長の命を受け、柴田勝家に仕えていた。その流れで合戦が始まり、柴田勝家側につき、戦に参加することとなった。そして五左衛門は賤ヶ岳の戦いで命を落としたのだった。

五左衛門亡き後、妻が弔いのため木之本に移り住んできた。時を経て、参勤交代制度が定められると、五左衛門の子孫が木之本宿の本陣職——本陣とは参勤交代の宿のこと——を受けたのが、今の本陣薬局に繋がる商売の始まりだ。

やがて、参勤交代制度はなくなったが、将軍の姫や大名をはじめ多くの人が泊まった宿だったため、いろんな物資が集まっていた。そこから、お酒や薬などを売る万屋を経て、竹内さんの曾祖父に当たる22代目竹内五左衛門さんが今の「本陣薬局」を開業。竹内五左衛門さんは、明治政府が薬剤師を免許制にした際、栄えある「薬剤師第一号」の免状を受けた人でもある。

Q.16 なぜ閉店した本陣薬局本店はまだ残っているのか?

北国街道を地蔵院から少し南に歩くと、多くの観光客が思わず足を止める風景がある。軒先に、木製の看板がずらりと並ぶ街道筋らしい店構え。時代を感じさせるその看板には「百毒下し」や「浅田飴」、「中将湯」などと、薬の名前が鮮やかに描かれている。ここは明治初期から続く「本陣薬局」の店頭だった。

今では残念ながら、柱などが虫食い状態のため本店は閉鎖されているが、2019年をめどにリフォーム予定だという。竹内さんは「若い世代が木之本宿を盛り上げようとしている姿を見て、私も次につなげていかなくてはと思うようになった」と語る。本陣薬局がホームに戻ってくるとき、木之本はどんな町になっているのだろうか。

旧本店 本陣薬局
滋賀県長浜市木之本町木之本941-1

現店舗 漢方の本陣薬局
滋賀県長浜市木之本町木之本1577-4望月ビル1階
Tel : 0749-82-3438

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