ここから先は「悪い心」を持っている人は入れない。
仁王門には、仁王様という2体の像がある。口を開けているのが阿形像(那羅延金剛)、口を閉じているのが吽形像(密迹金剛)。寺に悪いものが入ってこないよう、門番の役割を果たしている。
睨みつけるようなその目は、あなたにも向けられている。もしも、あなたに悪いものが取り憑いているとすれば、この門を通ることで逃げ出していくことだろう。
門の裏側には「広目天」と「多聞天」の像がある。その名の通り、目が悪い人は広目天が、耳が悪い人は多聞天が直してくれるという。これは病気の話だけではない。これから会いに行く「不動明王像」のお姿や、お言葉を見たり聞いたりしやすくなるように、心の目や耳を開いてくれる。そんな意味もこめられている。
ちなみに、門を通り抜けた先には池がある。そこで小銭を投げている人を見かけるかもしれない。池には亀の形をした岩があり、その背中にコインを乗せようとしているのだ。しかし、これはお寺として認められていることではない。咎められることはないが、見るだけにしておくほうが賢明だろう。