階段を登りきると、目の前に大きく現れるのが大本堂。1967年に建てられた新しい本堂であり、この建物の中に新勝寺が最も大切にしている「不動明王像」が安置されている。大本堂の中には誰でも無料で入ることができるので、ぜひ入ってみてほしい。タイミングがあえば、「護摩」という儀式に立ち会うことになるかもしれない。
護摩とは、願いごとを書いた木を燃やして、その炎とともに願いを天まで届けるという神聖な儀式。もちろんそれは不動明王像の前でおこなわれる。新勝寺は約1100年前にはじめて行われた護摩以来、1日も絶やすことなく護摩を続けてきたといわれている。
この大本堂の広さは300畳。一度に1500人が護摩を受けられる。訪れる人が増えるにつれて、本堂も大きくなっていった新勝寺だが、周囲には「前の本堂」も「前の前の本堂」も「前の前の前の本堂」も残されている。こうして、4つの本堂が残されている寺というのは非常に珍しい。では、前の本堂はどこにあるのか。旅を続けよう。
※本堂内は撮影禁止