この建物が「前の前の本堂」である。三重塔とほぼ同時期に、現在の大本堂がある場所に建てられた。当時は三重塔に似た極彩色の建物であったという。
正面には「剣」が飾られているが、不動明王像も剣を手にしていたことを覚えているだろうか。剣は不動明王を象徴するアイテムであり、この建物が2代目の本堂であった名残であろう。
額堂と見比べてもおもしろい。額堂と光明堂、どちらがより古い建物だと思うだろうか。実は、光明堂のほうが100年以上も古いのだ。光明堂は本堂であったので、とりわけ大切に扱われてきたのかもしれない。
ちなみに、3代目の本堂(釈迦堂)が建てられたあとは、この建物ごと持ち上げて、ここまで運び上げたという。それも、「髪の毛」で作った綱で引っ張り上げたというから驚きだ。