成田は「栗羊羹」の発祥地。栗羊羮とは和菓子の一種で、いまや日本全国でお土産の定番となっている。
もともと「羹」とは「あつもの」と読む。羊の肉を汁に浮かべた中国料理のことを指し、遣唐使によって日本に伝わった。しかし、当時の日本人は肉を食べる習慣がなかったため、小豆や山芋を練り合わせて、羊の肝の形を模すことで「羊羹」とした。
時は流れ、新勝寺の精進料理に「栗羮」と呼ばれる栗の入った蒸し羊羹があった。しかし、当時の技術ではカビが生えやすく、お土産にするには日持ちがしないものだった。そこで、この「米屋」の創業者である諸岡長蔵が、保存がきく「栗羊羮」を発明。瞬く間にお土産として定着した。さらに、武運を祈るために新勝寺を訪れた兵隊たちが家族にお土産として送りはじめたことで、全国各地に広がっていった。
日本で最初の栗羊羹となる「米屋の栗羊羹」。その物語とともに、お土産にしてみてはいかがだろうか。