江戸時代に新勝寺までお参りに来た男が、表参道の宿屋に泊まったところ、不思議な夢をみた。それは、お不動さまから「ここでお酒を造りなさい」と告げられる夢だった。その男こそが、のちに長命泉をつくることになる「滝澤栄蔵」だった。

滝澤がつくった酒はたちまち評判となり、酒蔵の井戸水がまた美味しいと、新勝寺にお参りに来た人は井戸水を汲んで帰るようになった。すると、その水のおかげで病気が治った、長生きした、そんな話があちこちから聞こえるようになった。そこで、滝澤はこの井戸水でつくった酒を「長命泉」と名付けることにしたのである。

この井戸水は諸岡家がお不動さまにお供えしていた水と同じ水脈のものであるが、この建物の斜め向かいに井戸がある。その脇には蛇口があり、同じ井戸水が出るようになっているので、ペットボトルに汲んで帰ってみるといいだろう。

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