これまでも「路地の名前が記されたプレート」を見かけたのではないだろうか。これは最近になって取り付けられたものである。「六原」と呼ばれるこの地域にはとりわけ路地が多いのだが、路地には名前がないのが普通である。しかし、それだと路地で人が倒れていたときに救急車を呼ぶことも難しい。「何本目の路地を右に曲がった路地の突き当たりの路地」などと説明していられないからだ。そこで、ひとつひとつの路地に名前をつけて、その場所がわかるようなサインを作ったのである。

路地の名前は地域の住民たちが考えたという。たとえば、「北向地蔵路地」には、北を向いたお地蔵さんがいる。「南天路地」には、南天という植物が植えられている。あなたもこのようなプレートを見かけたら、名前の由来を想像してみてほしい。たとえば、「シルク路地」と書かれたプレートのそばに「絹川さん」の名札がある。きっと、絹川さんが住んでいる路地だから、シルク路地なのだろう。プレートの近くで住民を見かけたら、きちんと挨拶をして「どうしてその名前になったのですか?」と聞いてみるのもいいかもしれない。

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