静けさや 町にしみいる 海の音

あなたは何を求めて旅をしていますか。おいしい食べ物、きれいな景色、手厚いサービス……共通するのは「非日常」だということ。

美々津港は古くは室町時代の日明貿易の港として、また近代では木材の積替え港として栄えた古くからの伝統と歴史をもつ港町。美々津という名の由来は、その昔、神武天皇が御船出の港として利用していた時「御津」(みつ)と呼んでいたのが転じたと言われています。

そんな美々津の魅力は何と言ってもその「町並み」と「静けさ」。

美々津は廻船問屋(かいせんどんや)と言われる木材の運搬で栄えた港町。道路は全て石畳で、住宅は船大工が意匠を凝らした、とっておきの木造家屋。今でも当時のまま残っており、町に入った瞬間、タイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。

イチオシは何といっても「美々津軒」。明治初期の商家「旧矢野家」を修理復元した公開用の伝統的建造物で、自由に出入りできます。また、「矢野家」の子孫である黒木さんともお話することができ、当時の様子を語らいながら、感じることが出来ます。

また、美々津のいいところはその「静けさ」。大通りから離れているため車の音などの騒音がなく、ゆったりとした時間が流れていきます。夏休み、日の当たる庭を眺めながら、縁側に座り込み、遠くから蝉の鳴声がジーッジーッと響く……居心地良くて、いつまでもいたくなります。

美々津にしかない「非日常」、あなたも体験してみませんか?


文:四位公祐

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