とにかく、名前が突き抜けすぎだ。地名に「エンジェル」だなんて珍しいし、そのあとに続く言葉もミスマッチ。どうしてこんな名前になったのだろうか。
実は、この地域には「五条天神社」という神社があり、古くから「天使様」という愛称で親しまれていた。それから時は流れ、豊臣秀吉が大規模な都市改造をおこなった際に、一本の「目抜き通り」を作ることを命じた。しかし、その途中には五条天神社が含まれていたのである。
大切な「天使様」を潰して道を作るなんてとんでもない! 地元の人たちは反発した。しかし、天下統一を果たした秀吉に逆らえるわけもない。せめてもの皮肉をこめて地元の人たちは、その道を「天使突抜」と呼ぶようになった。「秀吉よ、お前はなんてバチ当たりな奴なんだ」という恨みをこめて。