西陣織で有名な「紋屋町」にある紋屋辻子。そこから北へ伸びる短い路地が「三上家路地」。

現在の京都は市街地に行くと、どこもかしこもビルがある。ときおり、ポツンと古い建物が残っていても、ビルに囲まれていては何かが損なわれてしまうものだ。しかし、この路地は違う。道の両側に千本格子の長屋が美しく並び、空を見上げても昔ながらの風景にビルがうつりこむこともない。とても絵になる通りである。

路地の入口には「三上」と書かれた名札があるが、この場所には現在も三上さんが住んでいる。古くから織物を営んできた名家であり、その職人たちを住まわせるための長屋であった。現在はその景観を活かして「あじき路地」のような小さなお店が集まる通りになっている。