城があるということは、そこに城をつくる必然性があったということ。

標高170mと、グスク内で最も高い場所にある「一の郭」。勝連グスクの監視をするには最高の立地である。それだけではない。城壁から島を360度、見渡せるのだ。次の写真を見てほしい。

勝連グスクや首里グスクはもちろん、座喜味グスク、今帰仁グスク(山に遮られてはいるが)、斎場御嶽や久高島まで。「沖縄の世界遺産がぜんぶ見れる場所」といってもいいほどである。

そんな「一の郭」にはメインの建物となる「正殿」があった。一段高くなった基壇のあるところを見てほしい。護佐丸はここで暮らしていたのだ。基壇前の広場では宴会や儀式がおこなわれたという。

このように沖縄のグスクは城壁の中に建てられる。城壁の上に建てられる日本の城とは対照的ではないだろうか。「一の郭」や「二の郭」といった呼び方も中国的で、城壁もまた万里の長城のように曲線的である。この島には300以上のグスクがあり、それぞれに特色がある。その違いを自分の足で確かめてみてほしい。

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