想像してほしい。富士山から溢れ出た溶岩は「大木」をなぎ倒しながら流れていく。溶岩の中に取り込まれた大木はやがて燃えてなくなり、そのまま冷えて固まると地下に空洞ができる。この穴がまるで母親のおなかの中のような形であることから「胎内」と呼ばれている。

昔は、この穴の中をくぐり抜けることを「胎内めぐり」と呼び、「生まれ変わることができる」と信じられていた。富士講の人たちは「泉水」と同じように「吉田胎内」でも身を清めていたのだ。

現在の「吉田胎内」は年に一度のお祭りの日にしか公開されていない。少し離れた「船津胎内」であれば穴の中に入ることができるので、いずれ訪れてみるのもいいだろう。

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