溶岩がまるで川のように流れている。かつては橋が存在せず、この沢を歩いて渡っていた。
橋から見える場所に「御釜」と呼ばれる穴が開いているのがわかるだろうか。この穴は「あの世とつながっている」「奥には富士山の神さまがいる」「はるか遠くの江ノ島までつながっている」などの言い伝えが残されている。
末代をきっかけに富士山に修行者が入りはじめたころ、修行者たちは二合目を修行の拠点にした(御室浅間神社のすぐ隣にはその開祖とされる役行者のお堂もあった)。そして、この沢を境に仏さまの世界がはじまると神聖視していた。そんな背景もあって、ここから先は「女人禁制」と決められていた。検問があり、富士講の女性たちはみな追い返されていたのだ。