1543年、鉄砲伝来。ポルトガルから種子島に“日本初”となる鉄砲が伝わった。日本人なら誰もが知っている歴史である。しかし、沖縄には、その100年前には既に鉄砲が伝来していた。なぜ、このことが日本史に刻まれていないのか。当時の沖縄は、日本ではなかったからだ。

そう、沖縄は「外国」だった。日本から遅れること1000年。平安時代末期にあたる12世紀に農耕社会が成立したこの島は、戦国時代を経て、15世紀に本島の統一を果たした。このとき誕生したのが「琉球王国」である。

琉球王国は貿易国家として繁栄を極めた。中国、韓国、日本はもちろん、東南アジア各国まで。「大交易時代」と呼ばれるにふさわしい時代が続いた。その理由は、地図で島の位置を見ればあきらかだろう。とくに中国・明王朝との交易が盛んで、いち早く「鉄砲伝来」したのもポルトガルではなく中国から。それだけではない。のちの「ペリー来航」も日本の浦賀より早かった。このとき、ペリーが黒船より降り立ったのが「那覇港」である。

当時は、国際通りのある「新那覇エリア」はまだ農村にすぎず、港がある「旧那覇エリア」こそが那覇の顔であったのだ。では、それを一変させた「ある事件」とは何か。旅の途中で否が応にも気づくはずだ。

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