天使館は、迎賓館のようなもの。「天子」である中国皇帝の使者が宿泊する館であることから「天使館」と呼ばれていた。

たとえば、琉球王国の王様が代替わりをするとき、中国から新しい王様を任命するための使節団=冊封使がやってくる。彼らは南風に乗って船を走らせる。しかし、中国に帰るための北風が吹くのは半年後。そのあいだ、この島に滞在する必要があったのだ。

冊封使は400人から500人の大所帯であった。ただし、天使館で寝泊まりしていたのは高官のみ。そのほかの人たちは久米村の民家でホームステイをしていたという。そこでもまた様々な交流が生まれたことは言うまでもない。たとえば、沖縄でよく飲まれている「さんぴん茶」とはジャスミン茶のことである。これは想像にすぎないが、案外このホームステイから各家庭に広まったのかもしれない。

ちなみに、沖縄料理の定番である「アグー豚」も中国からやってきた。その後、500人の冊封使をもてなすために大量の豚が必要になった──1日に20匹の豚を消費したともいわれる──ことから、飼育が広まっていったという。

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