この場所からモノレールが走っている方向を見てほしい。といっても、遺跡があるわけではない。そこにあるのは、「琉球泡盛」の看板だ。泡盛とは沖縄を代表するお酒であるが、そのルーツは意外にも東南アジアの「シャム」=タイだという説がある。

たとえば、現在もタイで飲まれている「ラオカオ」。ラオは酒、カオは米。その名前が伝える通り、米を原料とする蒸留酒であるが、その味が昔の泡盛によく似ているという。もっとわかりやすい話もある。泡盛の原料となる米は、現在もその多くが沖縄産でも日本産でもない。タイから輸入したインディカ米なのだ。

ほかにも、琉球王国とタイとの交流は意外なところに残されている。現在も沖縄の人は魂のことを「マブイ」と呼び、驚いて呆けた顔をしている人がいたら「マブイが抜けてる」と注意したり、子どもが道で転んで帰ってきたときには「マブイを落としてきた」とされ、あわてて拾いにいくという。この「マブイ」のことを、タイでは「クワン」といい、まったく同じような習慣があるという。

タイだけではなく、マレーシアやインドネシアにも船を走らせていた琉球王国。しかし、16世紀。東南アジアにポルトガルの船があらわれる。

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