ここは「明治橋」である。しかし、ここで注目してほしいのは明治橋ではなく、そこから見える「御物城」である。
琉球王国時代の御物城は湾に浮かぶ小島であり、貿易で得た物を保管しておく倉庫の役割を果たしていた。
それも御物城を管理していた役人は役職的にいちばん偉かった。国王にとって、最も信頼がおける部下に託すべき場所であったといえるかもしれない。
たとえば。琉球王国の長い歴史は、「第一尚氏」の時代と「第二尚氏」の時代に分かれるが、第一尚氏はクーデターによって滅びた。その後、第二尚氏として王位に推薦された「金丸」という人物には御物城で働いていた過去があった。この物語について詳しくは「中城城跡」のガイドを見てほしい。
さて、当時の建物はすでにないが、石門がわずかに残っているのが見えるだろうか。もっと近くで見たいと思うかもしれない。が、現在は御物城に行くことはできない。その理由にもまた「ある事件」が関わっている。