「大使館」と聞くと、どんな建物を想像するだろうか。灰色の外壁に囲われた堅牢なセキュリティ、黒塗りの近寄りがたいゲートに、物々しい出で立ちの警備員、といったところか。それに比べてどうだろう。正面に丸く張り出した鮮やかな黄色い壁は来訪者を建物に誘い、アーチ状の本館の赤いサッシは両腕を広げて歓迎する。巨匠オスカー・ニーマイヤーに代表されるブラジル建築のおおらかさと力強さがここにはある。

2014年にブラジルでサッカーW杯を開催した時は前庭にパビリオンが設けられ、通りすがりの人々が自由に試合を応援できた。コンサートや展覧会などの文化イベントも開催し、黄色の外壁には時折グラフィティやコンテンポラリーアートが描かれる。従来の大使館のイメージを払拭する、開放的なブラジルの雰囲気で包まれているのだ。果たしてあなたの国の大使館は、その国らしい姿をしているだろうか。


写真:Cristiano Mascaro

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