“Generosity” この建築の評価をそう表現する人がいた。日本語に直訳すると「寛容さ」。でも、それだけでは言い表せないニュアンスが「Generosity」にはある気がする。それが何かを、実際に建物を見ながら感じ取ってほしい。

まずは外観。一見すると日本の伝統建築のようである。しかし、よく見てみると、薄い屋根が瓦の重さを感じさせず、なんとも現代的なつくり。張り出した屋根の下を進んでいくと竹の壁や黒い小石が連続していて、伝統的な素材ながらも、やはり現代的な使い方が見られる。

そして、建物の中に踏みこむと大きな庭園が見渡せる。「東京のど真ん中とは思えない」そう感じるとすれば建築が一役買っている。天井のスリットが連続したまま庭園の風景へと繋がっていくことで、庭園との距離を近づけて見せてくれるのだ。春、夏、秋、冬。四季にあわせて移り変わる自然を受け入れ、建物と一体化していると言ってもいい。

“Generosity” この建築でいうそれは、庭園の風景やそこで流れる時間も含めて、建物が受け入れているということなのかもしれない。


写真:FUJITSUKA Mitsumasa

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