あなたは、この建物のどの部分を「おもしろい」と思うだろうか。積み木のような白い大理石と、空に溶けるような青御影石。まるで、子どもが絵に描いたようなオモチャの家。横から見たり、中を覗き見たりすると、建物はさらに表情を変える。現在は、レンタルスペースや撮影スタジオとして使われているという。

斬新であると同時に、勇気がいるデザインだと思わないだろうか。昭和の日本には、現在のような景観に対する規制がなかった。色も自由、素材も自由。豊富な資金力もあいまって、海外の建築家たちは表現の自由を求めて東京に集まった。しかし、バブル崩壊後の日本では似たようなグレーの建築物が増えていくことになる。その直前、まさにバブル崩壊の最中であった1991年。イタリアの建築家は、この遊び心に満ちたデザインの建物を完成させた。それもメインストリートでもない住宅街に。

その名も、アルド・ロッシ。建物の入口にある「A」の文字は、彼の名前の頭文字ではないかと囁かれている。

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