建物の外周を網目状の金属のスクリーンが覆い外観をつくっている。本来、ガラス張りの外観は外から中が丸見えである。しかし、金属のスクリーンはそれを曖昧にぼやかしている。そうすることで中と外の関係をゆるやかにし、周辺環境とほどよい距離感を生んでいる。

現在、この場所はジュエリーショップになっている。中に入って感じるのは全身を包む、その光のやわらかさ。店内のジュエリーを眺めたあとにあらためて考えてみると、その壁は御簾のようであり、高貴な存在を覆い隠すためのヴェールだったのではないかと思えてくる。

建築家の妹島和世は、世界中で大規模な建築を設計していることで知られる。しかし、東京の小さな建築からこそ彼女の設計の本質を感じ取ることができるのかもしれない。

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