ビューティ&ビースト=美女と野獣。この言葉が何を表しているのかわかるだろうか。隣のディオールと建物を見比べてみてほしい。この建物は全体の形からゴツゴツとしていて、表面のタイルも象の表皮のようにワイルドである。「美女と野獣」とは、両者の建物のコントラストのことを言っているのだ。建てられたのはGYREが後。隣りあう建物との見え方を考えて設計することも建築家の腕の見せどころなのである。

「GYRE(ジャイル)」という名前には「渦」という意味がある。渦巻きの階段が象徴しているように、各フロアがルービックキューブのようにツイストしている。このねじれがこの建物を独特のものにしている。

この建物の特徴として中にあるテナントのキュレーションが素晴らしいという声もある。どんなお店が隣りあうべきか、その組み合わせのことだ。それに、真っ直ぐな長方体のテナントビルよりもフロアごとの違いがはっきりしている。それもまたGYRE=渦による仕業なのかもしれない。

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