「円錐は神の幾何学か」建築家の黒川紀章はそんな言葉を残している。この建築家といえば、この形。そんなふうに「形」を代名詞とする建築家は随分と少なくなった。ただし、黒川紀章といえば「円錐」の形。この建物の中にいくつの円錐が隠されているのか探してみてほしい。
そして、なんといってもこの独特のファサード。うねうねと曲がりくねったガラス面はあまりにもキャッチーで、写真を目にしただけでも「一度は行ってみたい」と思わせるデザインになっている。見た目だけではない。建物の中に入ったときにも、やわらかな光に包まれるような驚きがある。
実はこう見えて外壁としてのガラス面に曲面は存在しない。垂直面と水平面だけで成り立っている。ガラスをよく見てみてほしい。垂直な窓ガラスから「ルーバー」と呼ばれる水平なガラスが生えている。このルーバーの先端のみを曲線とすることで、全体が曲面であるような視覚効果を与えている。また水玉模様が描かれていて、これが光をやわらげているという。
ちなみに地下にあるギフトショップには、この場所でしか買えないようなグッズも多い。ぜひ立ち寄ってみてほしい。