澄み渡るような青空を見て、清々しい気持ちになる。またときには、茜色に淡く染まる夕暮れどきの空を見て、ノスタルジーを感じる。空が映し出す風景に、わたしたちの感情は動かされる。

空に現れる、美しい色彩のグラデーションたち。それらをひとつの小さな自然現象として、「空の色彩」をテーマとしたオブジェが、空間のなかに再現された。

作者は、自然現象からプロダクトデザインへと応用できる表現を創出する取り組みを行うなかで、その実験結果をベースに、このオブジェを作り出したという。表現したいのは、あくまでも「自然現象で生まれた色」。理想的な色合いを出すために、何度も実験やテストを繰り返してきた。

「自然のなかでしか見ることができない」と思っていた風景は、今ここで、自然と同じメカニズムで再現されている。空間のなかに現れる空の光から、美しい青空や夕焼けを見たときと同じ感動や心地よさを受け取ってほしい。