イントロ|ガイドの使い方 #3年後へ旅する言葉

平安時代。
飢饉や災害が多く、とても荒れた時代でした。時代のせいか、現世ではなく来世こそ幸せになりたい。そう願う人々が増えていきました。

ここ三千院にある往生極楽院は、現世をわずかな時間でも離れ、未来に極楽浄土を願う人たちが集まる場所でした。

このガイドでは、三千院の境内を巡りながら、「極楽浄土とは何か?」を伝えていきます。

来世や極楽浄土と聞くと、現代を生きる私たちには無縁のように思われるかもしれません。

でも、来世も極楽浄土も、未来のこと。
仏に手を合わせ、未来に思いを馳せることで救われていたのです。

ある人は健康な未来を。
ある人は恋人との幸せな未来を。
またある人は、家族の安全な未来を。
中には、権力を願った人もいたことでしょう。

三千院という名前が、
「一瞬、一瞬には三千の思いが存在する」という教えからきているように、そこにはさまざまな願いがありました

当時の人たちも時代や環境は違えど、同じ人間。私たちと何も変わらぬ人々が、わざわざこんな山奥まで足繁く通い、未来に祈りを捧げていたのです。

だからここ三千院で、私たちもゆっくり自分に向き合い、少し未来に思いを巡らせながら彼らの過ごした三千院を追体験してみるのはいかがでしょうか。

今回は特別に、より体験を深めるガイドとして「#3年後へ旅する言葉」の手紙と、それを入れるためのお守りを用意しました。

畳の部屋で3年後にいる自分に願いを込めて、言葉を書き綴ってみませんか?

その言葉はお守りとなり、あなたと旅をはじめ、3年後、あなたの前にそっと現れてくれるでしょう。

書いている時、書き終えた時、
お守りを経て、3年後。

あなたの言葉は
どんな未来に連れて行ってくれるでしょうか。

三千院の入り口で「#3年後へ旅する言葉」を購入し、ガイドをすべて聴き終わったら、入り口から30メートルほど歩いた畳の部屋に行き、未来の自分に向けて言葉を書いてみてください。

書き終えたら持ち帰って、
ずっと肌身離さず持ち歩くもよし、
家で保管して3年後に開くもよし、
あるいは大原の郵便局でタイムカプセル郵便を購入すれば、3年後に指定の住所に手紙を届けることもできます。

今日、ここ三千院で
ほんの少し時間をとって
自分の未来に思いを巡らせてみましょう。

あなただけの特別な旅を、お楽しみください。

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