サワガニといえば「何色」が思い浮かぶだろうか。おそらく「赤色」ではないだろうか?
では、もしも「青色」のサワガニがいるとしたら? それも、突然変異ではなく明らかに場所によって色が違うとしたら? あなたはそこにどんな理由を見出すだろうか。
これは、とあるコーチがおこなったフィールドワークの追体験でもある。「仁淀川はなぜ青いのか?」ならぬ「サワガニはなぜ青いのか?」この青の謎を追いかけることで、大人が本気で遊ぶとは、どういうことなのか。その意味がわかるかもしれない。
そのためにまず「柳野」と「程野」。ふたつのポイントでサワガニを探してほしいと思う。
サワガニを捕まえるのはポケモンを捕まえるのとはわけが違う。沢に降りても最初はなかなか見つからないかもしれない。しかし、石をはぐっているうちに(「ひっくり返す」ことを土佐弁で「はぐる」と言う)1匹は見つけられるはず。1匹でも見つかると、どういうポイントにサワガニが潜んでいるのか「勘」がはたらいてくる。その勘をもとに次の石をはぐってみると「また発見!」となる。その感触を得たときには、たまらなく嬉しくなるはずだ。ハサミはあるが挟まれてもそこまで痛くないはずなので、恐れずに、でも、優しく捕まえてみてほしい。
ちなみに、柳野から程野は車で40分ほど。サワガニを探す時間をふくめて「120分+柳野までの移動時間」ほどのアクティビティになるだろう。
一体、沢のどこにいるのだろうか? ポイントは「石があまり動いていないような場所」。イノシシに掘られて石がひっくり返っているような場所だとサワガニはいないかもしれない。また、勢いよく川が流れているようなところも見つかりづらい。本流ではなく支流で、水がチョロチョロと流れているような場所で探してみるのがセオリーだ。
たとえば、「川の水に半分浸かっているような石」をはぐってみよう。言い方を変えれば、川の端っこで水が溜まっているようなところ。そこに砂利があるようだとサワガニも穴を掘りやすいのか潜んでいる可能性が高い。
一匹でも見つかると感覚がつかめてくるはず。何匹か探し出して「柳野のサワガニは何色なのか」を確かなデータにしよう。なかなか見つけられないという人も、こればっかりは経験値を貯めるしかない。コーチが石をはぐると、ほとんど百発百中といえるほどサワガニがいる。あちこちの川で石をはぐってきたコーチには「どんな場所にサワガニがいるのか」が経験則でわかるのだ。ぼくはといえば、10回はぐって1回ぐらい。それでも、何度も石をはぐっているうちに、だいぶ確度が上がっていった。
観察が終わったら逃がしてあげよう。水の中に戻ったサワガニはより一層、赤く見えるはずだ。「結論、柳野のサワガニは赤い。」あなたもそこに自力で行き着いてほしい。
カーナビに入力するなら「グリーンパークほどの」。大きな駐車場があるはずなので、そこに車を停めたら、ON THE TRIP の「MAP画面」を開いて「続」のPINがある場所まで歩いていこう。そこが沢の入口だ。果たして、その沢にいるサワガニは何色だろうか?
──「続|柳野と程野 & フィールドワーク」につづく