赤壁はなぜ赤いのか。一言でいえば「サビ」。火山が噴火すると噴出物が空に舞い上がる。そのとき、空気に触れた噴出物(鉄分)は酸化して赤くなる。それが降り積もった結果、赤い地層ができあがった。

赤い地層の中には「黒い地層」も見てとれる。これは、赤い地層ができたあとに地中で漏れ出すように噴火したもの。同じ火山の同じ噴出物でも空気に触れなければ黒くなる。赤い地層も黒い地層も成分としては同じものなのだ。

そして、もうひとつ。中央を垂直に貫く白い地層がある。これを地元では「瀧騰り」と呼ぶ人もいるが、なるほど。赤い地層と黒い地層ができたあと、さらにドカンと噴火したことが見てとれる。

赤壁はつい最近、割れたばかりの断層のようにも思えるが、そうではない。このあたりは風が強く、冬になると荒波が押し寄せてくる。それによって、まわりと同じような普通の丘だったところが徐々に風化、侵食されてボロボロと崩れていった。実に、7000年の月日をかけて現在のようになったという。

とはいえ「7000年」という時間は、地球規模でいえば、つい最近のこと。赤ハゲ山で見られる「島前カルデラ」の景観が生まれたのは「600万年前」の話だという。

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