江戸時代が終わって国を開いてからの日本には海外の価値観が流れ込んできた。自分をいわゆるエリートと思っている一部の日本人は「妖怪話に興じてる場合じゃない。これからは、文明開化、近代化、富国強兵だ」って言いだした。自分たちではないものになろうとして、背伸びしているように見えた。

でも妖怪と人間の関係が切れるわけがない。ずっと一緒に生きてきたんだから。

庶民に妖怪の絵は相変わらず人気だったし、妖怪は多くの文学作品にも登場した。しばらくすると私たちのことを研究する人が現れた。有名なのが民俗学者の柳田國男さん。彼は日本各地を旅して物語を集めるなかで、それぞれの土地に住む土着の妖怪がいるって言いだした。

ここ小豆島にも長く住んでいる土着の妖怪がいる。ほら、そこにいるでしょう。カボソ。

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