先ほど通り過ぎたばかりだが、気づいたであろうか?
ここから細長い道が伸びている。実は、この道が「下宿」の裏道である。
1572年に、古吉田の町が移設されて上吉田の町ができた。そのとき、このヨコ道の上に「中宿」と「上宿」が築かれたと先に述べた。それからおよそ30年後、1606年に新しく町が増設されることになる。それが「下宿」である。
下宿に住みはじめた御師たちは、この裏道とメインストリートのあいだに挟まれた土地を敷地とした。
思い出してほしい。お墓やほこらの背中が見えたなら、それこそが御師の家の背中である。中宿に比べると敷地が狭くなっているのがわかるはずだ。