さて、このガイドで一番伝えたい、金を見つけること。
それを金の襖を見ながら説明したいと思います。
まずはガイドを止め、金の襖を十分にのぞいてください。見るというより見つめてください。
見終えたら、再開します。
襖に金色を使っているのは、何も豪華絢爛にしたいからという訳ではありません。ろうそくのようなほんわりとした弱い光をあてることで、その奥行きを作り出せるからこの色になっているのです。金色がろうそくの灯りで後ろに溶け込み、前に木々や鳥が浮き出てくるのを感じ取れるでしょうか。
また、美しさ以外に実用的な要素もあります。少ない光でも反射することで部屋全体が明るくなる、レフレクターの役割を果たしていたとも言えます。これは現代の明るすぎる蛍光灯では見つからない、失われた感覚。だからここでは、当時の人々が見ていたであろう灯りで襖を見たいと思います。詳しい襖の解説は、次のガイドをお聴きください。