かつては展望台であったようだが、現在は雑草が生い茂り道は閉ざされている。そこには一本のリュウキュウマツが象徴的に生えていて展望を独り占めするかのごとく枝を伸ばしていた。が、意外にも本間さんが目をつけたのは、リュウキュウマツの幹にかかる別の植物の影だった。
「天気がこうでないとくっきり影が出ない」
その日は冬の宮古島にしてはめずらしいと言われる晴れの日で、半袖になっても暑いほどの日差し。天候によって何が撮れるのかを知ること。それは自分だけのシャッターチャンスを逃さないための下準備になることだろう。