日本軍が壕として使ったと言われる鍾乳洞。そのスケールに驚かされた。しかし、本間さんは別の物を見ていた。

「洞穴の空間よりも、むしろ生命力」

まるで暗闇の中を懐中電灯なしで進んでいくように。はじめはそろりそろりと根をおろしていったのだろうか。気が遠くなるような時間を経て地面に到達したのだろう。

「地面から生えている木を見ていると、まさかこんなに根っこが長いとは想像もつかない。たくましいね」

本間さんの写真を見ると、その視点が伝わってくるようだった。

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