どこから来たの?
そう聞かれて「横浜です」と答えると先生の話がはじまった。
宮古島に来て気づいたことない? 横浜に比べて潮のにおいがしないでしょ。どういうことかわかる? 真水なの。宮古島では雨水が琉球石灰岩に染み込んで、へりから流出している。だから島全体が真水でコーティングされている。だから潮の香りがしないんだ。川もないおかげできれいな珊瑚礁に囲まれてるわけだけど、養分がないから土地がやせてる。土に養分がないから焼き物もできない。このダムができるまでは日照りが続くと農作物がぜんぜん育たない島だったんだ。
それでね、流れ出している水の水温は低いんだ。だから北からたくさんの渡り鳥がやってくる。だからね、とくにこの先は車のスピードを出しちゃだめ。ここから南は鳥が歩いてるからね。なんで歩いてるのかわかる? 雛を連れてるから歩いてるんだ。ハブもいない島だからね。
宮古島では地下水を利用している。じゃあ、横浜はどう? 地下水を使ってる? 使ってないんだ。どうしてかわかる? 物事には良い面と悪い面がある。地下水を使うってどういうことだと思う? ぼくはね、地下水を使わなくていいということは幸せなことだと思う。なぜか? きょうは教えない。またこんど来たときに教えてあげる。それまで考えてみて。
この話はほんの一部なのだが、この場所にはものすごいガイドさんがいる。宮古島について知りたい人は訪ねてみるといいだろう。